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カナディアンロッキーでコロンビア氷原に続いて有名な「ワプタ大氷原」。ここは北米では超メジャーな氷河縦走のクラシックルート。YJくんのホームページでワプタスキー縦走のレポートを読んで以来ずっと行きたがっていたマサトは、一昨日のCrow
Foot Glacierツアーですっかり氷河スキーにハマってしまったらしい。CrowFootからの帰り車のなかで既にワプタ山小屋1泊ツアーが持ち上がっていた。
Mグミちゃんは仕事があるので、行くとしたらマサトとYJくんと3人になるのだが、今日のBCでハイク体力の無さを痛感した私は即決断ができず、夜まで考えることにした。
で・・・ウダウダ考える前に行ってしまえ!ということで、土日にワプタへ行く事に決定。
Bow Lakeから4時間ほどのところにある「Bow Hut」という山小屋に泊まるには予約が必要なため、翌日予約をしにいくことになった。
翌朝、キャンモアにあるThe Alpine Club Of Canadaの事務所に行き、Bow Hutの空き状況を確認。前日の予約とは言えども3名分は取れるだろうと思いきや、残り1名の枠しか無いと言う。
YJ「1名しか取れないみたいだけどどうする?」
M「俺らはテントで寝ても良いんじゃない?YJくんが良ければ」
ということで、有り難くも1名枠は私が利用させてもらうことになり、マサトとYJくんはテントを張ってそこで寝る事になった。だけどテントひとつ持っていくのもそれだけでかなりバックパックの重量が増す。何か別の方法を考えると言ったYJくん、今度はこう言った。
YJ「Bow Hutの裏に雪洞が掘れるって聞いたんだよね」
M「あ、俺じつは雪洞初めてだから、やってみたい!」
ということで、いきなり雪洞泊で決定。Bow Hutの常連であるYJくんの話によると、山小屋には大きなキッチン兼リビングがあってそこで過ごしていれば、寝るときだけ雪洞に行けば問題ないと言う。
1日目は登り約4時間、雪洞堀り2時間くらい、その後時間があれば滑りにいくというスケジュールで逆算し、9時にキャンモアの家を出発することにした。
ところがこんな日の前日に限って、何かと慌ただしいもの。その夜に急遽、バンフでCrow Hutに一緒にいったメンバーとその友達と飲む事になり、私たちは朝家を出たまま一度もキャンモアに帰る事無く、バンフで飲みに突入!気づいた頃はすでに夜中の2時になっており、慌ててキャンモアの家に帰宅。朝寝坊することは十分に予測されたため、ふらふらの頭で山小屋行きの準備をし、シャワーと浴びて寝た。
翌朝は全員がほぼ時間通りに起きたものの、頭が働かないせいか、なかなか仕度が進まない。少し遅れて出発。

30分遅れてBow Lakeの駐車場に到着すると、たくさんの車で混雑していた。Bow Hutが満員ということは少なくとも30人が今日、山に入る事になる。そりゃ混雑するわな。
出発の時間が重なったらしく、何人も仕度する人が周りにいたが、いくら見渡してもスキーヤーしかいない。どうやらスノーボードは私だけのようだ・・・ちょっぴり不安。
今日は1泊分の荷物でバックパックがかなり重かったので、行きの湖越えはスノーボードをソリにして引っ張って行った。途中、いくつかのパーティーとすれ違ったが、あるスキーヤーの女性にこう声をかけられた。
「スノーボードはあなた一人ね!大変だろうけど楽しんで」
うーーん、そんなにスノーボードって珍しいんだろうか。確かに大変だけど、どう大変なんだ・・・だんだん不安。

Clow Hootと同じルートを通り、クリークの入り口に来た。ここからは危ないのでバックパックにボードを装着する。これが重いのなんのって。
一人一人間隔を開けて歩き、川底を越えたところの右の斜面中腹でランチを摂った。ここから、Bow Hutが岩の上に建っているのが見える。まだまだ距離はありそうだ。
それにしても今日は日差しが暑い。ここからは森林限界を越えるので、大きな岩壁や雲の陰にならない限り、ずっと強い日差しに当たりっぱなしだ。

正面にそびえる300Mほどの岩壁に向かって山間の底を歩いて行き、突き当たり手前で右側の急な斜面を登って行く。しばらく登って行くとようやくBow
Hutの姿が正面に見えてきた。私は随分と遅れを取ってしまったため、その時Bow Hut からスコップを持って小屋裏に向かって雪の中を歩いて行くYJくんの後ろ姿が見えた。どうやら雪洞堀に向かうらしい。
15時に無事、Bow Hutに到着。Huckle Berry Hut と違って定員30名のBow Hutは見るからに快適そうで広い。入り口のドアを開けると横に廊下が伸びていて、右側にキッチン兼リビング、左側にベッドルームがある。先に寝床を確保するためにベッドルームに行くと、すでに8割くらいの場所が色んな色の寝袋で埋められていた。
どうやら、早い時間にHutに荷物をデポし寝床を確保した上で、近くに滑りに行っている人が多いらしい。
ちなみにここはベッドにマットレスが敷かれているので、寝袋だけ持って行けば快適な睡眠が得られる。

荷物をある程度整理すると、さっそくスコップを持って私も雪洞作りに参戦。Bow Hutの裏手70Mくらい登ったところにある雪洞ポイントに到着すると、すでに深い穴が掘られていた。一人が穴の一番奥で雪を掘り、その雪を真ん中の人が外に掘り出し、さらにもう一人が入り口から外に向かって雪を掻き出すというように、担当を決めて作業。ところが、思った以上に雪が固くてなかなか掘りの作業が進まない。スコップの淵をカカトで蹴り出して雪を削るという方法でなんとか掘り進めて行く。
こうして無事完成した雪洞は、入り口が長めで寝床が一段上がった、風よけに最高の一品に仕上がった。しかしすでに作業開始から3時間以上が経過。辺りは日が落ち始め、時計はすでに6時を指していた。時間があれば今日滑りに行く予定だったが、この時間じゃとても無理。諦めてHutに戻った。
ちょうど夕食の時間帯からか、Hutのキッチンはたくさんの人で大混雑。おまけにガンガンに薪ストーブの火を焚いていたため、気持ち悪いくらいの蒸し暑さだった。今日は10人の団体ツアーが二つ入っており(おそらく縦走コース)、4つのガステーブルは満杯状態。キッチンの混雑が落ち着くのを待って、夕食の準備を開始した。今回は前回のHut同様、スープとお湯で煮るだけのイージーパスタ。これが一番荷物が軽くて簡単に作れるからイイ。
ところが周りを見ると結構手の込んだ料理を作っている。中には分厚い牛肉にトルティーヤの皮を巻いてタコスを作っている人もいた。山小屋での料理を楽しみにしている人達はきっと、食材分の荷物が増えてもきっと気にならないんだろうな。うちらはNo
Thank you だけど。
食事が終わった後で、YJくんが持ってきてくれたウィスキーを雪を融かした水で割った、水割りで乾杯。それにしても、沢山の人が食事し、お酒を飲み、賑やかに話している様子を見ると、とてもここが氷河近くの山小屋とは思えない。まるで町中のパブにいるみたいだ。
疲れた体に久々のウィスキーがぐっと効いて、22時くらいに解散することにした。ここからマサトとYJくんは雪の中を歩いて雪洞に行かないと行けない為、完全防備の格好に着替える。真っ暗の中、ヘッドランプをした二人を外に見送り出すとは変な感じだ。
そういえば翌朝、何時にHutのキッチンに集合するか決めてなかったけど、YJくんの
「明日の朝、俺は6時に山小屋の薪ストーブに最初に火をつける!」
という言葉を信じてそのくらいに起きよう。
この時間すでに8割くらいの人が先に就寝済み。ベッドルームの扉をそっと開け、物音を立てないように寝床の準備。一人大きなイビキをかいている人がいるのが気になったが、部屋のストーブは誰も火を付けていなくて寒かったので、さっさと寝袋にくるまった。
家だったら‘おやすみー’と言ってからいつも3秒で即寝できるけど、今日はなんだか寝付けない。おまけにイビキの音がだんだん大きくなってきた。気づいたら、私の隣の隣に寝ているではないか!ついてないなーと思ったが、今更場所を変える事はできない。何とか目と閉じて寝る事に集中した。
ところが寝てまもなく、人の熱気で異様に部屋が暑くなっており、目が覚めてしまった。寒がりの私はいつも人より厚着をしているけれど、思わずフリースを脱いでしまったくらいだ。寝袋の横のファスナーも全開にしないと暑くて眠れない。外では友人が雪洞で寝ているというのに、何だか不思議な感じ。
結局、イビキと夜中に人がトイレに立つ物音で、熟睡できないまま朝を迎えた。
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