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Nelsonに全く雪が降らなくなってから1週間。さすがにWWのゲレンデだけというのも厳しいものがあって、思い切り遠くまで行かないとBCさえも行く事ができない、そんな状況だった。USボーダーまで行った際に標高の高いKootney
passをチェックしたが、思った以上に雪が無い。そんな時に藁をも掴む思いで行く事を決断したのが「Canmore short trip」。
Canmoreに住むYJくんに事前に様子を探るべく連絡を取ると、こんな返事が返ってきた。
「パウダーは無いね。氷河でもかなり標高を上げないと・・。雪もあまり期待できないと思うけど、日帰りで行けるところがあるから行ってみる?」
氷河スキーなんて初めての体験。氷河自体見た事無いし。早速お願いします!!ということで、Canmoreに到着する翌日に連れて行ってもらうことにした。
当日は7時起床、8時出発を予定していたが、前の晩にみんなで遅くまで飲んでいたお陰で、30分で支度をしなければならない状況に。4人の機敏な動きで遅れは最小限の10分でカバー。後はYJくんの運転でカバーするのみ。
今日目指すCrowFoot Glacierはキャンモアから車で1時間半くらい。1号をレイクルイーズを過ぎてジャスパーに向かう途中の左手にあるBowLakeがエントリー口。
ちなみにCrowFoot Glacierは 1号線から見る事ができる。写真が道路から撮影したもの。氷河が横から2本に分かれているが、もともと3本伸びていてそれがカラスの足に似ていることから、「CrowFoot」と名前がついたと言う。1920年に3本伸びていた一番下の氷河が崩れ落ちて、現在は2本になっている。
今回滑ったところは、Glacierのある山のちょうど裏側になる。
「9時半にビタ着する」というYJくんの公言通り、予定時間に駐車場に到着すると、今日一緒に登るYJくんの友達が3人、先に支度をしていた。
KJさんはバンフに住んで10年になるスノーボーダー。バンフ情報として有名なサイト「TOLOCO」の運営者である。今回のカナダトリップに際して、前からこのサイトはお気に入りに入っていたので、突然の出会いにビックリ!Tケシくんはバンフに住んで5年になるスノーボーダー。免税店で働いている。Nリちゃんはワーホリで去年の7月からバンフに来ているスノーボーダー。日本食のレストランでバイトしている。
簡単に自己紹介を済ませ、いざ出発。・・・と行きたいところだが、突然便意を催す。BowLakeの駐車場には公衆トイレがあるが冬の間は閉鎖。その奥にあるロッジも宿泊客以外はトイレを貸してくれないという。最初は諦めたが、氷河の上は隠れるところが何も無いから今のうちに済ませた方がイイというみんなの強力なプッシュで、木の陰で用を足してから出発。
まずは氷結したBowLakeの上を歩いていく。おしゃべりをしながら歩いていけばさほど距離は感じないけれども、この湖を渡るまでが結構時間がかかる。40分くらいはかかるだろうか・・・。湖の上はおそらく30cm以上の厚さの氷が張っているので歩いても問題ないのだが、初めての者にとっては「バリッ!」と足下で音がする度に”氷が割れる!!”とビビってしまう。

湖を抜けると今度は広い谷の樹林帯を歩く。この先にはスキーの縦走ツアーで有名なワプタ氷河があり、何人ものトレースがついているため、ツボ足でも歩けるほどしっかり踏み固められている。1時間ほど歩くとクリークの入り口に着いた。ここからは所々水流の出た渓谷の底を進んでいくため(写真参照)、10Mほど間隔を開けて一人ずつ歩いていく。所々開いた川底に落ちないよう気をつけながらクリークの底を進んでいくと、目の前に300Mほどの高さがある岩壁が見えてきた。ここから斜面を右に高度を上げながら歩いていく。
どんよりした空も次第に雲が捌けていき、青空が見えてきた。ここで少し小休止。
言い訳だけど、体力を奪う日差しの暑さ&2000M近い標高で空気が若干薄い&久々のハイク&あと15日で完全なる30代という体で、この時点でかなり電池が切れかけていた。
森林限界を越えて斜面の途中でランチの休憩。反対側にワプタ氷河を臨める絶好のロケーション。こんな風景は日本でもネルソンでも見た事が無い。

休憩を取った場所からは氷河の上を歩くため、ヒドゥンクレバス(クレバス上に雪が積もって見えなくなったもの)を踏み抜いた時に救助できるよう、準備をする。ハーネスをつけてロープを一人一人カラビナに引っかけ、自分のすぐ前のロープに速やかに救助できるようプルージックを付けておく。ロープを約10M間隔で結んで先頭から出発。このように氷河を歩く方法を「コンティニュアンス歩行」と言うらしい。
ハイク速度の足並みを揃える為に、スキーヤーとスノーシューのグループに分かれて、ロープを結んだ。スキーヤーのグループを先頭に出発!ひたすらなだらかな斜面をずっと登っていく感じなのだが、広大なオープンバーンで遠近を感じる目安のものがまるで無いため、距離感がまったく掴めない。
すぐ向こうに見えている岩壁も、実際歩いてみるとものすごく遠かったりする。
歩いても歩いても目的地に着かない感覚がより疲れを倍増させ(たぶん)、このコンティニュアンス歩行中に何度も立ち止まってしまい、スノーボーダーチームのみんなに迷惑をかけてしまいました。(ぺこり)

時計が15時を過ぎた頃、ようやく目的地のピークに到着。ちょうど風が抜ける場所で、あまりゆっくりとしていられなかったが、360度見渡す限り岩と氷でできた雪山が果てしなく広がっているおり、最高!!今まで登った雪山の中ではダントツのスケールの大きさに圧倒されそうになった。
それぞれ滑る準備をして、登ってきた斜面の中腹まで一気に滑る。そこから斜面が切れているところまで、一人一人滑りを撮影することにした。私が下、マサトが上から撮影することになり、まずは最初に私がドロップ!雪は期待していたほどのパウダーでは無かったが、滑りやすく自由にラインを描く事ができる。
適当なポイントで止まりカメラを準備。ファインダーを覗くと、ボウル上の斜面の切れ目にみんなが一列に立っており、何ひとつ障害物のない見事なオープンバーン、そして目の覚めるような青空と、そこには最高のロケーションが広がっていた。

みんなが気持ちよく滑って来るのを無事カメラで捕らえ、そこからは全員一斉に滑り降りた。斜面がなだらかで距離が長いので、スノーボーダーはラインを選んでスピードをつけて行かないと、止まってしまいそうな感じだ。途中、トラバースのラインを間違えて、スノーボーダーが全員ツボ足で10Mほど登った場所があった。上り斜度の途中でスタックしてしまったので、ボードを脱がざるを得ない。「たすけて〜」という声に後ろを振り向くと、なんとツボ足になったNリちゃんが胸まで雪に埋もれている!同じカナダでもあるところには雪があるんだなぁとビックリ。
登りの途中の雪があまり良く無くても、氷河に入った途端にびっくりするぐらいの良い雪がある、というのが「氷河マジック」だとTケシくんに教えてもらったが、残念ながら今日は滑りの中で巡り会えなかったみたい。
どんどん高度を落としていって、登ってきたライン通りに斜面をトラバースしていくのだが、当然トラバースしていく距離もハンパじゃないので、太モモも爆発寸前。しばらく滑って行くとクリークが左手に現れる。クリークの底のトレースは上り下りが激しく、斜度もあまり無いため、スノーボーダーは速度をつけて行かないと板を脱ぐ羽目になる。しかも時折川が顔をだしており、勢い余って落ちてしまったら大変。しかもトレースの幅が狭い。
クリーク越えはなかなかエクストリームなコースだった。結局スピードが落ちて何度も板を脱いでしまったけど。そしてクリークを抜けると今度は全員が板を脱いで急な斜面をしばらく登っていかないといけない。これが超ロングトラバースとクリーク超えにより大ダメージを受けてしまった足に響く、響く!息も切れ切れで登ったところで、全員が集合し小休止。この時点ですでに17時近く。それでも空はまだ明るくまだまだ遊べそうな感じ。日が長くなったなーと改めて実感。今までの感覚だと、15時半に滑り出しってあり得ないよな・・・。
疲れも少し引いたところで今度滑るのは、狭いツリーの中をスピードを出して抜けていくジェットコースター。そこそこ斜度のあるツリーの中をくねくねと決まったラインを滑って行く。これがかなり難しい。ストックを使いながら必死でツリーを抜け、ようやく湖に到着。
最初は滑ってきた勢いでそこそこいけるのだが、何せ湖の上なもので斜面はフラット!板が止まってしまうと、今度はワンフットでストックでこぎながら進んでいく。これが疲れるのなんのって。最後には諦めて板をソリにしてスノーシューで歩いて帰る事にした。その間、スキーヤーはスケーティングでスイスイ進んでいく。その間にスノーボーダーはあっという間に距離を離されてしまう。だんだんと薄暗くなっていく空と前にいるスキーヤーの姿がどんどん小さくなっていくのを見ながら、焦って歩くがなかなか進んだ感じがしない。駐車場近くにロッジがあってその赤い屋根がゴールの目安になるのだが、いくら歩いても全然近くなった感じがしない。距離感が掴めないのってイヤだーっ!ようやく駐車場に到着したころには倒れるくらいヘトヘトになっていた。
行きにKJさんが「俺、この湖嫌いなんだよなぁ」と言っていたのが不思議でたまらなかったが、今納得。帰りの湖横断ほどかったるいモノはない。ちなみにKJさんもスノーボーダー。
今までにこんなにアプローチの長い日帰りBCはしたことが無かったけど、やっぱりスキーは便利だ。帰りクタクタになっている時ほど、スムーズに滑って帰れるスキーをうらやましく思う。スノーボードの方が数倍面白いという山もあると思うけど、ここは明らかにスキーヤー向けの山です、たぶん。
何はともあれ、氷河スキー初体験、面白かったー。色々装備とかガイドとか必要だけど、今回は友達がガイドでほんとラッキーだった。登りがすごーく苦しかったけど、頑張って行く甲斐のある場所です。ハーネス付けて登ったり、湖の上や川の底をBCで歩くなんて滅多にないからね、アドベンチャー好きにはたまらないかも。
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