2005年2月24日  
Huckle Berry (今日は山小屋へのハイクのみ)
快晴/トレイル上はアイス

トレイル入口(10:00)〜ランチ&休憩(12:00)
〜Huckle Berry(15:00)〜夕食(18:30)〜就寝(22:30)

マサト、スミヨ

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3日前にホワイトウォーターのスキー場で、キッカーやコブを飛びまくるKIDSスキーヤー&スノーボーダーに煽られ、あえなく腰にダメージを負ったテレマー君(おっ、久しぶりに登場)。いつもの「もうダメかも〜」というギブアップサインで翌日はオフ決定!
元々は、マサトが5年前にフクちゃんやクニちゃんと一緒に行った、ホワイトウォーター近くの山小屋へ1泊ツアーに行く予定だった。が、そこは行くまでに5時間も歩くような場所。誰一人いないような山奥で、もし無理をしてマサトの腰が悪化したなんて言っても、レスキューを呼ぶのも難しい。幸い雪も降ってないことだし、今そこに行かないからと言ってどうなるわけでもない。大事を取って結局その翌日もオフ日とし、腰の完治に徹することにした。

そして24日の朝。マサトに腰の様子を確認すると、問題ないと言う。という訳で山小屋ツアーへ出発することに決定!今回久々(私は初めて)の山小屋ツアーになるので、前々日から持ち物の確認をし、パッキングをしていた。いつでも出発できるようにしていたので準備万端。食料品については一番嵩張るので、できるだけ手間がかからなく軽いものを持っていくことにしていた。用意したものは、バナナ/食パン一斤/ゆでるだけのパスタ2袋/缶詰のスープ/ジャム&マーガリン/ランチのサンドイッチ/その他非常食。2人で一泊+1日分の食料。缶詰のスープは結構重さがあるが、「山小屋と言えば ”スープ”でしょ」という2人の勝手な思い込みがあって、持参することにした。

9:15に家を出発。ハイクルートの入り口には30分後に到着。月曜日にホワイトウォーターで滑った後、車をデポする場所を下見しておいたので、時間通りの到着。車を停める場所は結構広く、すでに3台の車が停まっていた。この人たちも山小屋に行ってるのだろうか?小屋の定員は4名くらいと聞いていたので、果たして私たちの寝る場所があるのだろうかと気にしつつ、ハイクの準備をした。
それにしてもに、・・・荷物が重い!!完全ワンデイハイク用の私のバックパックは、はちきれるほどに荷物でパンパン。ボードを装着する部分は寝袋を固定していたため、今回はボードをロープでソリのようにして引っ張っていくことにした。山小屋までのルートは夏用のトレイルを使っていくため、登りは緩やかだし道幅も広い。よってソリで荷物を引くことが可能というわけ。もちろん、ホワイトウォーターでソリなんてしたら間違いなく荷物が滑落するね。

10:00に駐車場を出発。今までで最重量のバックパックを背負っていたのと、後ろにスノーボードを引っ張った状態で5時間も歩くという初めてづくしのことだったので、歩きのテンポはゆっくり目にした。トレイルはキャットやスノーモービルで雪が踏み固められて、ツボ足でも全く問題なく歩けるほど、雪は固く締まっている。ひたすら森の中のトレイルを歩いていくのだが、太陽はサンサンと照り、あちらこちらから雪解けの音が聞こえる。完全に春です、春!

ボードを引いて歩くのは問題ないのだが、バックパックのテンションがどうしても肩に集中してしまって、休憩時に荷物を降ろさないと、結構キツい。マサトにさんざん文句を言われながら、最初の歩きのペースでゆっくりと歩く。天候は絶好のハイキング日和だが、毎日24時間一緒にいるマサトと5時間も特別話すことは無い。景色もトレイルと木しか見えない特に変化の無い眺め。なお一層、お互いが黙々と歩く、歩く、歩く・・。
2時間ほど歩いたところで、トレイルの真ん中に川が横切っていた。雪が少ないのと雪解けで水かさが増しているので、いつもだったら雪の下にある川が現れてしまったのだ。この後、汽車尾根以来恒例の「川越え」5回ほど続いた。川を越える度に板を脱いで川を渡らなきゃいけないのが、かなりめんどくさい。途中、ランチと1回の休憩を挟んでまた歩く。マサトの5年前の記憶では山小屋まで5時間だという。予定通りであれば15時に到着するはずだが、山小屋が見えるまでは安心できない。

途中、トレイルが二股に分かれており、クリーク沿いの道を歩いていく。ここから急に道幅が狭くなっており、小さい木の枝がたくさん生い茂っている。普通に歩いていると、ボードを引っ張っているロープが木に引っかかってしまうため、ロープを短く手に持ち、枝をすり抜けるように手でボードを引っ張る。これもかなり面倒くさい。しばらく登りが少し急なトレイルを登っていき、右のカーブを曲がったところで、マサトが叫んだ。
「あったー!しかも5年前と全然変わってねぇーっ!!」
どうやら山小屋に到着したようだ!ところがマサトの指差す方向を見ても、小屋なんてありゃしない。サングラス越しによーく見てみると、そこには2M近くの雪にほぼ埋もれた状態の小さな山小屋があった!!
斜面のところに建っているため、トレイルから見ると雪ですっぽり隠れてしまっていたのだ。先にマサトが小屋の扉を開け、こう叫んだ。
「マジかよー!5年前と全然変わってねぇーっ!!」

5年前の自分の記憶と一緒のまま山小屋が存在していたのが、よっぽど嬉しかったのであろう。入り口に「HUCKLE BERRY HUT」という札が付いている。中には誰もいなく、入り口の年期の入った木の扉を開けた瞬間、薪ストーブの独特の匂いがした。扉を開けて左手に薪ストーブがあり、正面には大きめの2段ベッド、真ん中にある棚の側板を下げると、天板にアルミが張られたテーブルが現れた。くくりつけの棚にはスプーンやキャンドルやトランプが置いてあって、ここを利用した人たちが少しずつ置いていったモノが、唯一、生活感を感じさせた。
まだ15時で外は明るかったため、玄関の扉を解放して早速お掃除。ほうきやちりとりなんかも揃っている。マサトは小屋の下にストックされている薪を備え付けの斧を使って、薪割りを始めた。こんな風景はここ以外二度と見れないだろうと思ったので、早速撮影。斧が薪割りの台座に使っている丸太にヒットする度に、「カーン!」と遠くまで音がこだましているのが聞こえる。私たちが誰もいない山奥にいるんだなぁということを感じさせる。それにしてもマサトは木こりみたいだ。

明るいうちに外での作業を済ませて、今度は「水作り」。2本のテルモスの中にお湯が入っているのと、水を1.5Lほど持ってきていたので、飲む分には足りるが、料理用の水が無い。スーパーの袋を持って外に行き、綺麗そうな雪をスコップで集めた。これを融かして水を作るのだ。出来上がった水は多少木の葉とか混ざっているが、家から持参した水道水より美味しかった。
だんだんと陽も落ちてきたので、いくつかのキャンドルに火を灯す。明るすぎず、暗すぎず、この山小屋にちょうどいい明かり。そして外は夕日に照らされた雪山がピンク色に染まっている。上手く表現できないけど、これが本当の1日の終わり方なんだなぁとそんな風に思った。木や動物と同じようにありのままの自然の姿だけを感じ、それに沿った時間を過ごす。生まれて初めての体験だ。

暗くなってからの山小屋で、有り余った時間を使う手段はここでは少ない。おしゃべりするか、飲むか、食べるか。とりあえず18時から食事の支度をすることにした。支度をすると言っても、缶詰のスープをバーナーで温めるだけ。スープが出来上がるまでの時間をもっと楽しむために、弱火でじっくりと温めた。ちなみに今日のスープは「チキン ポテト チャウダー」。名前を聞いただけでもヨダレが出そうな名前でしょ?冷えた体にあったかいスープが染みる〜!やっぱり「山小屋と言えば ”スープ”でしょ」は間違いない。次に水と一緒にゆでるパスタを食し、かなりお腹いっぱい。

そしてお待ちかねの時間、「朗読タイム」。こんな山奥で何を朗読するのかというと、それは'90年くらいから小屋に置いてあるゲストブック。5年前にマサトがここに来た際に書き込んだメッセージをもう一度読み返すのである。ろうそくの明かりの中、ボロボロになったゲストブックを持ち、昔ここに来た時の思いをじっくりと読み上げるマサトをみてなんかじーんと来た。フクちゃんとクニちゃんの'98年のメッセージが残っていたので、それも2人で読んだ。7年も前に、こんな山奥にこんな快適な山小屋を発見し、ここでパウダーを滑る為に山を登っていた彼らは、なんだかとても偉大な人に思えた。ちなみにここでフクちゃんとクニちゃんはグレッグケリーに会っているのである。そんな場所に今日来ることの出来た私たちも幸せ。

色々な思いにふけっていると、時計はいつの間にか22時を指していた。辺りは物音ひとつ聞こえない。そしてフルムーンの明かりが山々を照らしている。最高の歓迎を受けた私たちはそのまま吸い込まれるように眠りに落ちていった。