-ハヤシレポート第三弾-
神楽峰
2004.3.14 晴れ


◆member :ハヤシくん、山田さん、小山さん、親方、その他スキーヤー多数
◆route
 
:第1高速降り場〜第5リフト〜中尾根〜北斜面〜三角山途中から西側に滑落
      〜登り返して再び三角山ピーク〜三角山南斜面〜ゴンドラ降り場
◆schedule:
6時40分のロープウェイに乗ったことまでは覚えているが・・

    
3月14日、ちなみに今日はホワイトデー。この日が僕には忘れられない日となるでしょう。
今週は水曜日から関東ではやたら気温が高く、完全に春めいていた。
職場なんかでは「今日は暖かくていいや」なんて会話がされているが、こっちからしてみればとんでもない訳である。
しかし「暖かくなる必要ナシ!」とも言えなく「暖かくていいですね」なんて返してしまう(笑)。
そんな気候に今週末は諦めムード満点だったが、前日の土曜日の夕方何気なくPCで新潟LIVEカメラを見ると、
かぐら前のカメラに映った映像はナント雪。雪が降ってるじゃありませんか!
WARPのシン君に電話して聞くと「かぐらは昼ぐらいから降り始めていたよ」と言った。

「こうしてはられない」と早速出撃の準備をし、新潟に向けて出発した。
高速に乗ってるときにラジオを聞くと「マウント苗場は土曜日からサンライズ営業を開始しました」と宣伝していた。
サンライズ営業とは、通常だと営業開始時間が7時30分からなんだけど、一時間早い6時30分から営業開始することである。
雪が降っているってこともあって「絶対早起きして朝一のロープウェイに乗ってやる」と気合も入る。

あさ5時30分になんとか起きられて、準備をしていると「やあ、おはよう!!」と石川さんに声を掛けられる。
どうやら石川さんも朝一のロープウェイに乗る気マンマンらしい。
話をすると、昨日から小山さんとか山田さんとかが中尾根あたりで雪洞泊をしているらしい。
それを聞いて「どんなに急いで登ってもファーストは無理だな・・・・」と思ったけど「逆にゆっくりしているとトラックだらけになってしまうのでは?」
と思って早めに登ることに決めた。実際雪洞泊を何人でしているか分からなかったしね。
しかもこの時期になってくると山スキーヤー達が結構増えてくるのでね。

急いで準備をしたがタッチの差で一番のロープウェイに乗れなく、10分後の二番目のロープウェイになってしまった。
ロープウェイから駐車場を見ると石川さんが見えた。
「なんだ石川さんも遅刻か・・・・」ここ最近、石川さんも朝一のロープウェイに乗ってないんじゃないかな?
とりあえず第一高速降り場に着いたが、ゲレンデのコンディションを確認する為一本滑ってみる。
ゲレンデ(コース外)は10cmも積もっていなく、吹き溜まったところでもパウダーの下がアイスになっていて、底付きがある感じだった。
どうやらゲレンデでは楽しめなさそうだったので、一本で終了し、ハイクの準備を始める。

いつも通りのラインでハイクをし、中尾根到着。今日はいつもよりペースが遅かったかな?
それから北斜に行くと山田さんの姿が見えた。
「おはようございます」と声を掛けると、「朝、中尾根南斜面にトラック見えたでしょ、あれ私達のやつ」って言った。
そんなことはもう重々知ってます。ハイクの途中でしっかり見えました。
「で、その後北斜を一本滑って、これから二本目」だって・・・・「いったいあなた達はいったい何時から滑ってるんですか?」って感じ。
メンバーを見ると、結局雪洞泊は3人だった。3人は北斜二本目を滑る準備をしていた。

とりあえず3人の滑りを見ながら雪質のチェックをすると、どうやら吹き溜まってないところは所々ガリガリいっていた。
「なるべく吹き溜まっているところを滑ろう」と思いつつスプリットを組み立てる。
いざ滑ってみると思っていた以上にフカフカだった。「うん、イイぞ」気持ちのいい一本だった。
一本目を終了し、3人とまた北斜のトップ目指して登り返す。3人が1回登り返しているので登りやすかった。
北斜のトップまで登り、休憩とする。休憩しているときに雪洞を見せてもらったが、かなりしっかりした作りだった。
中に入るとなかなか広く、隅のほうに袋に入ったビールの空き缶が転がっていた。
雪洞から出て軽く食事をしていると、山田さんの知り合いのスキーヤーが5.6人やってきた。
すると山田さんが「雁が峰に行きませんか」と提案する。
小山さんはバックパックに荷物満載だったのと、1人だけスノーシューだったのでどうしようか考えていた。
小山さんが僕に「ハヤシ君はどうする?」と聞いてきた。
僕はスプリットだったし、こっちのルートからの雁が峰は行ったことが無かったので「行ってもいいですよ」と答えた。
ここで全員が行くことに決定した。

全員支度を整えて雁が峰へと向かった。雁が峰に行くには1回霧の塔の手前の三角山(仮称)を経由して行かなければならない。
ここで僕の一番の心配は「スプリットでの下り」。
過去何回かスプリットで滑る場面に出くわしているけど、スキー経験ゼロの僕は毎回と言っていいほど転ぶ。
これだけはどうも苦手だ・・・・・。
しかしそんな心配をよそになかなかイイ調子で行けている。三角山の麓まで行き、ピークを目指して登り始めた。
僕らの前に山の途中でトラバースして移動している人がいたが、上にある雪庇が危なっかしかったので、ピークまで登るラインをとる。
登っている途中だんだんと斜がキツくなりジグをきって登るが、雪質も10cmくらい下がアイスになっていて僕のスプリットはズルズルと滑り始めていた。「やっぱスプリットじゃキツいなぁ〜」と思いながらなんとか高度を上げていく。

山の中腹まで来たときに「ここで滑落でもしたら大変だなぁ〜」と独り言を言っていたら、後ろからきたスキーヤーのおばちゃんに「そうね、せっかくここまできて滑落したら大変よね〜」と言われた。たしかにスキーのシールでも大変そうに見えた。
しばらくすると、スプリットのシールが効かなくなり動きが止まった。
「ヤベ、どうしようかな?」と思ったと同時に、僕に去年の巻機山での悲劇が襲った。
そう、滑落です!スプリットがズルッと滑ったと同時に僕の体が下に叩きつけられ滑落し始めたのです。
「うわ〜ヤベ〜・・・・・!!」僕の体がどんどん加速をつけて滑り始める。
「なんだよ!また俺滑落かよ!」でも今回はちょっとだけ冷静でした。
滑り始めたところから10mくらい下に木が数本あったのが見えたので、体を回転させてそこになんとか板が引っかかるようにしようとしました。
しかーし!そう簡単にはいかない。バックパックを背負っているとなかなか体を動かすことってできないね。
で、僕の体はうまいこと木をすり抜けてドンドン加速を付けて行くのでした。

もうこうなったらどうにもならない・・・・・。
滑落を止める唯一のポールがすでに僕の両手から無くなっていました。「あれ、ポールがねぇじゃん!どうしようか?」色々考えました。
「とりあえず、板を谷側にして止めよう」と体を動かしてなんとか板を谷側にして板を雪面に押し付け滑落を止めようとしたけど、なかなか止まらない。もうどうなっちゃうの?って感じ(笑)
色々やってみてもなかなか止まらず、ふと下を見るともうボトムがそこまでやってきていた。
「もうあそこまで止まらないな」と思った。しかし、だんだんと雪が重くなり、ボトムに到着する前にようやく止まった。

「ふ〜、やっと止まったよ」ふと上を見上げるとビックリ!前回は約30mの滑落だったが、今回はナント・・・100mオーバーだった。
滑落の衝撃で雪崩でも起こったら大変なのでスグに板を脱ぎ横の安全な場所まで移動した。
それから呼吸を整えて体に異常が無いか確認する・・・・・大丈夫だった。
もう一度上を見ると小山さんが「お〜い、大丈夫か〜?」と心配している。
とりあえず小山さんから見える位置まで移動して「大丈夫でーす」と両手で大きく丸を作った。

みんなを待たせるのが申し訳なくて、急いで滑り落ちた斜面を登ろうと思ったが、この急斜をまたスプリットで登るのは到底無理。
幸い今回はスノーシューも持って行っていたのでスプリットを担ぎ、スノーシューで登る。
しかし雪質が悪くクランポンが刺さらない状態、普通に登ろうとするとズルズル滑ってしまう。
這いつくばるようにしてキックステップで登り、しかもポール代わりに手を雪面に突き刺しながらだからこれまた疲労度倍増。

どれくらい時間が経ったか分からないけど、ようやくみんなが待つ尾根まで登れたとき、一気に疲れが出た。
そして僕を待っていてくれたみんなの所に着いたとき、大変迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちで一杯になった。
三角山のピークに着き、山田さんがこれから行くルートの説明をした。
しかし、このルートは昔から有名なコースでスキーヤー向きのコースでもある。
はじめて三角山のピークからそのルートを見たときに、小山さんと僕は「これはスノーボーダーには向いてないな」と思った。
そう、スキーだったら楽に行けそうなんだけど、スノーボードだと板を脱いだり履いたりしなくてはならない所がいくつかあるのでした。

小山さんがしばらく考え、結局僕達は三角山の南斜面を滑り、そのままトラバースしていつものコースでゲレンデに戻ることにした。
たぶん雁が峰に行っても斜がゆるすぎてあまり楽しくなさそうなのと、そこまで行くと登り返しが何回かあるのと、たぶん僕の疲労度も考えての判断だと思った。
山田さんグループを見送り少し休憩を入れてから、小山さん→僕の順番で三角山南斜面を滑った。
さすがに南斜面というだけあって、この時間にもなると雪が重くなっている。
だけど結構なオープンバーンなので、パウダーのときは楽しいかもしれない。
二人とも帰りのトラバースの為にあまり高度を下げないようにして滑り、いくつかの小さい尾根を越えていつも北斜を滑ったときに帰るコースのところまでたどり着いた。

トラバースでゲレンデに戻る途中、だんだんとガスってきて視界が一気に悪くなってきた。
ゲレンデに着くと完全にガスっていて気温もかなり暖かかった。小山さんと僕はゴンドラ降り場で少し休憩をしてから一緒に下山した。
今回、再び滑落という失態をしてしまいみんなに迷惑をかけてしまった事に反省しました。
ただ、ケガをしなかったのは不幸中の幸いでしたね。だから笑い話になってしまっているけど・・・・いい経験をしました。
かぐら100m以上も滑落した人ってなかなかいないと思うんですよ。だってそんな所はほとんど無いからね(笑)あの現場が名所になっちゃいそうで怖い・・・・・。

下山をしてから、あまりの睡眠不足と疲労により車中で仮眠をとったのですが、早速滑落の夢を見て飛び起きてしまいました(笑)。
やっぱり頭のどこかに滑落の恐怖が叩き込まれている感じがした。
でも本当、滑落は怖いものなんですよ。みなさんも気をつけてください(特にスプリットの人)

帰りの道中、土日で妙高に行っていたマサトと電話で話をした。
どうやら彼は標高1900m以上の所からテレマークの板を流してしまったらしい。
マサトは板が滑落し、僕は自分自身が滑落をし、どうやらこの二人にとってこの週末はいいことが無かった感じだね。
でも強烈な思い出にはなるでしょう(笑)